今年最初のメッセージ

 

皆さま、こんにちは。

 

今日は1月14日、成人式です。私は明日の佐賀での仕事のために、今朝から九州に向かっています。今日が祝日でしたので、思い切って前泊することにしました。

 

朝、乗り換え駅で、成人式を迎えるお嬢さんらしき人を見かけました。洋服なのに、手には和装のバッグ、もう一方の手には大きな箱のような手提げ袋。おそらく着付けに向かっているのでしょう。その隣にはお母さんと思しき女性がいました。幾つになっても、母親からすれば可愛い我が子なのでしょうね。ふと微笑ましい気持ちになりました。

 

今日は朝から晴天で、青い空に雪をかぶった富士山がくっきり、はっきり見えました。成人式をこのような良い天気に恵まれて何よりです。

 

行きは新幹線、帰りは飛行機というプランにしました。娘時代、初めて上京したときも飛行機ではなく、さくら、みずほという夜行寝台列車でした。鉄道好きというわけではありませんが、私は飛行機よりも地上を走る方が好きなタイプです。

 

新大阪を過ぎた頃から、ごそごそし始めました。それまでは、朝早いこともあり、いつも新幹線で食べるお気に入りのサンドイッチとじゃがりこを食べたらまず寝るようにしています。一昨日も大阪での講演のために新幹線移動でしたが、今回は少し長距離なので気持ちもゆったりしています。

 

岡山辺りではっきり目覚め、広島、新山口駅を通過しながらぼんやり外を眺めているうちに、ここが故郷なんだなあ、という気持ちになりました。もちろん私の故郷は長崎ですから、通過しつつ見る景色も駅も町も私の故郷ではありません。それでも東京近郊の景色とはやっぱり違う。温かいというか、優しいというか、穏やかというか、自分でも不思議ですが、懐かしい、優しい気持ちになりました。今、小倉駅を通過しました。成人式前、まだ高校生だった私が上京したときに見た景色が今もそのまま残っているようにも感じました。

 

小倉を過ぎたら、すぐに関門トンネルに入りました。中学の頃、小学校時代の大親友が小倉に引っ越してしまいました。母に頼んで、家族でその親友とお母様に会いに行ったとき、関門トンネルの中をみんなで少し歩いたことを思い出します。今、トンネルをぬけました。いよいよ私の故郷、九州に入ったようです。

 

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夕方、長崎まで足を伸ばしました。やっぱりいいものですね。長崎駅の一つ手前の浦上駅で停車したとき、私が通っていた活水高校が丘の上に見えました。赤い屋根の趣のある校舎です。長崎駅では駅舎が大きく様変わりしていましたが、駅前の歩道橋の上の広場はそのままで、しばらく佇んでしまいました。15才の頃、この歩道橋の上で友達ととりとめもない話をしたこと。思いがけないタイミングで男子学生から付き合ってください、と告白されたこと。家族で長崎まで買い物に行って、その帰りバスターミナルまで急ぎ足で歩いたこと。全てが走馬灯のように私の頭の中に、よみがえってきました。

 

昨年後期から、私にとって新たな大学で、一年生向けのキャリア科目の授業を持たせていただいています。人生100年を見据え、これからどのように歩んでいけばいいのか、これまでと現状を踏まえながら、彼らがより良い未来を築くための道しるべにしてもらうためのあれこれを考えさせる授業です。

 

テキストは同大学の学部長が執筆されたものですが、そのご著書の中に、心の拠り所の一つに故郷がある、と書かれています。同時に、故郷とは私たちの心の中にある変わらないものの象徴でもあると。

 

教えながらも、歳を重ねた私にとっては、心にしみる表現だと感心しておりましたが、今日、本当に久しぶりに長崎市内に下り立ち、心からそう思う自分をはっきりと自覚しました。

 

また頑張ろう!という強い気持ちと、もう一つ。

 

母がどれだけ苦労して私と妹を育ててくれたかを思い出し、明日帰宅したら、もっと母に優しく接してあげよう、と。

 

とにかく多忙な日々であるにもかかわらず、同居している母は、私の疲れや都合などいつもお構いなしに、私の帰宅早々に、ズケズケ、ネチネチと言いたい放題で、今日こそは喧嘩するまいと思いつつも、いつも喧嘩になってしまう最近です。そんな母娘の関係に実は少し悩んでいましたが、今日、思い切って長崎の地に下りて、懐かしい場所を時間の許す限りに歩いたことで、昔と変わらない懐かしい景色にはいつも、母と妹と私の三人だったことをはっきりと認識しました。今、この文章を書きながら、なぜか涙が出てきました。

 

母がいるから、今の私がいる。

 

急に母に対して優しい、素直な気持ちになりました。私って、いつも単純です。

 

また明日の夜、帰宅したら、母のズケズケした言葉に、言い返してしまう私がいるかもしれませんが、せめて明日だけはニッコリ微笑んでいようと決めました。だって母は、もう充分、歳をとっているのですから。

 

明日は佐賀大学で講演です。どんな学生たちであるのか、今からワクワクしています。

 

私に出来ることは限られていますが、それでも私を!と、皆様からお声をかけていただくことに心から感謝し、誠心誠意、全力を尽くしてお役にたてるように頑張る所存です。

 

どうか皆さま、こんな私ですが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

坪田まり子

 

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